「割り箸」から森について考えよう。
2012.05.07
From 事務局

日本は「木の文化を持つ国」で、
割り箸を発明した「割り箸の文化」を持つ国でもあります。

割り箸は、江戸時代に発明され、飲食店とともに普及してきました。
しかし、1980 年頃から、割り箸は「使い捨て商品の象徴」、
「森林破壊の元凶」のように言われてきました。
果たして、本当にそうなのでしょうか。

「森との共生」がテーマの今年の博覧会では、
山梨県森林環境部有林課にご協力いただき、身近な「割り箸」から、
森林の保全について考えてみたいと思います。

やまなしFSC認定割り箸のプレゼントもありますので、
ぜひブースにお立ち寄りください!!
(プレゼントは数に限りがありますので、お早めに。)

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この割り箸については、こちらをクリックください。yamanashifsc.pdf


[割り箸について正しく知ろう]

割り箸は「資源を大切にする心」から生まれた

現在、普及している木製の割り箸は、明治時代に
奈良県吉野で樽材として使っていたスギの端材(樽の製造過程で
必要な部分を切り取ったときにできる余った木片など)を
有効に活用することから生まれたものです。

完全に 2 本に割ってしまわず、少し残して切れ目を入れて、
食べる直前に割って使う割り箸のアイデアは、縦に割れやすいスギの特性を
よく知る吉野の職人の間から出てきたものでしょう。
今では、樽の製造は少なくなり、吉野スギの大半は建築用材として使われますが、
割り箸は建築材を採った残りの端材や間伐材などでつくられ、
資源を大切にする心は今も受け継がれています。


日本の割り箸製造の現状

日本人が発明し、日本の食文化とともに普及してきた割り箸ですが、
残念ながら、現状は衰退傾向にあります。
主な理由は、安い外国産材の割り箸が輸入されるようになったからです。
現在、日本で使われている割り箸の約97%は外国からの輸入であり、
そのうちの98%が中国産です。
平成5年には、300 軒以上あった国内の割り箸工場も、
現在は 100 軒程度になってしまいました。

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どのような割り箸か? 使っても良いのか?

このようなことから、割り箸については、
「どこの国のどのような森林からの材料を使って作られたものか」を
確認してから、「森林破壊」か「健全な森林管理」か、また、
「使い捨て」か「使 われない材の有効利用」かなど、
その善し悪しを判断すべきモノであると考えられます。

ちなみに、数少ない国産材割り箸の多くは、日本の割り箸文化を受け継いだ
「もったいない」精神に基づくものであり、中でも森林管理認証製品であれば、
第三者により適切に管理された森林から作り出されたことが
認められたものであることから、「使っても良い」と言えるのではないでしょうか。

さあ、みなさんも、「この割り箸なら...」というものを見つけ、
「ぱしっ」と小気味よく割って木の香りをかぐという、
食事の前のちょっと改まった儀式をしてから、おいしく食事をいただいてみては
いかがでしょうか。