[ニッポンの良い食品 #8]名代 はんぺん/佃權
2012.11.29
From 事務局

寒い季節になってきました!
このままでは、12月1月はいったいどんな寒さになるのでしょうか。

芯まで冷え込んだ体を温めてくれる「冬ならではの食べ物で好きなもの」
について、gooランキングのアンケートによると、
第1位は「おでん」。

おでんと言っても関東風、関西風、味噌味など様々なバリエーションがある上に、
おでん種は千差万別。色々な種から美味しいエキスが溢れ出し、
染み込んで美味しくなる冬の代表的な料理として 票を集めていました。


さて、そんなわけで、
本日は、ニッポンの良い食品。再掲載企画の第8弾!
いよいよ迫った年末に向け、寒さの増すこの季節...
家庭の食卓を彩る「はんぺん」をご紹介して参ります。


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江戸の味を今に伝える逸品

名代 はんぺん

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株式会社 佃權
代表取締役社長 金子久利

創業は明治元年。もともとは江戸の佃島で代々漁師をしながら、魚を売るだけでなく、蒲鉾等の加工品も作っていたそうです。現在は東京の台所・築地に本社を構え、「江戸の味、今に伝える」を合言葉に蒲鉾やはんぺん、さつま揚げ等の水産練り製品の製造販売を手がけています。
今回ご紹介した「名代はんぺん」は、先代である私の父が江戸時代の文献を紐解き、研究を重ねて当時の味を再現したもので、平成元年に農林水産大臣賞を受賞した看板商品です。真ん丸でふっくらと山形に盛り上がった形、厚みのある大きなサイズが特徴で、職人の手づくりにこだわって作っています。
作り方を簡単に説明しますと、一晩寝かせておいたサメの肉を、空気を抱かせるように練ってすり身を作った後、すりおろした山芋や泡立てた卵白、調味料を加えてさらに練り上げ、型取りをしてお湯で茹で上げます。しかし、入荷するサメによって水気が多かったり、肉質がしっかりしていたりと原料の状態は様々ですし、気候や天気の影響もありますので、材料の配合や摺り具合は職人が自らの手で感触を確かめながら調整し、熟練の技と勘で仕上げます。
はんぺん一筋、25年余のキャリアを誇るベテランをはじめ、腕の確かな職人たちが心を込めて作る、江戸の味。生でも、煮ても焼いても美味しく召し上がれます。ふわっとした食感をどうぞご堪能ください。


≪編集部より≫
すり身に空気を抱かせながら浮かせて作るはんぺんは、業界では「浮かし物」と呼ばれ、伊達巻もこのジャンルに入るそうです。厳選された鶏卵、和三盆を使用する等、贅を尽くした佃權の伊達巻は、お正月の食卓を飾るのにふさわしいご馳走です。是非、一度ご賞味ください。(期間限定、要予約)

(良い食品通信・2012年秋号記事を一部修正の上再掲載)