11月17日(日)に、小さな小さな食べる種子「雑穀」をテーマとしたイベント「たね語り『幸せの雑穀レシピ』」を行います。長年雑穀の民俗学研究をされてきた増田昭子さんと、管理栄養士として杏雲堂病院に雑穀を取り入れた病院食を導入された榎本眞理さんにお話を伺い、雑穀の世界に深く迫りたいと思います。
ご興味のある方はぜひご参加ください。

たね語り「幸せの雑穀レシピ」

ゲストスピーカー
増田昭子さん(民俗学研究家)
榎本眞理さん(管理栄養士)

●日時:11月17日(日)10:00~12:50(9:30開場)
●会場:STUDIO Y's
練馬区関町北2-26-17 ワイズ2ビル地下1階(西武新宿線「武蔵関駅」南口より徒歩1分) 
●会費:3,000円

詳細は、下記のブログページでご確認ください。
http://blog.sizenmura.jp/article/78930119.html

写真は、今年の夏に開催した「第1回たね語り」の様子です。
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8月10日の深夜に都内を出発し、かたぎ古香園のある滋賀県朝宮へ。
翌朝に到着、片木さんに無農薬のお茶栽培についてお話をうかがいました。

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滋賀県朝宮は、大津と信楽の境の標高400mの山の中にあります。
今から約1200年前、805年(延暦24年)に僧・最澄が留学先の中国より茶の種子を持ち帰り、中国に似た環境にあるということでこの地に植えたことに発する日本最古のお茶の生産地であります。信楽盆地の朝宮は、昼夜の温度差があり、日照時間も長くなく、柔らかで薄い茶葉ができるそうです。また、柔らかく蒸すことでお茶本来の香、旨みを味わうことができ、2煎でも3煎でも4煎でも楽しむことができます。水色は古代色の山吹色です。

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宇治茶も、本物は山吹色だそうです。
深蒸し茶が悪いといっているのではありません。産地間、流通の側によって「これがお茶」という固定観念を作られ、それを思い込まされるのは、違うのではないかなと思います。

朝宮茶は、一般消費者には全くといっていいほど知られていませんが、日本で一番高く取引される高級茶で、お茶業界では知らないところはないくらいだそうです。が、ほとんどが宇治に送られ、他産とブレンドされ「宇治茶」として販売されるそうです。

そんなことではもったいないと朝宮茶の直販を始めた片木明さんは、そのころはまだ農薬も化学肥料も使って栽培をしていたそうです。しかし、消費者の顔がみえる販売をしているうちに、農薬や化学肥料をたっぷりつかったお茶を飲んでもらうことに疑問をもつようになります。

お茶は収穫してから急須に入れるまで一度も洗いません。お湯を注いで飲んでいただく、つまり農薬がついたままのお茶を直接飲むことになります。その怖さに気付いたのが昭和50年ころでした。農薬散布後の体調の不良も感じていました。

それから周囲の反対を押して無農薬栽培を始めました。各地で無農薬栽培をしている人を探し訪ねますが、自家用分を少し作っている人はいても経営として無農薬栽培している人はいませんでした。人に売るものは農薬・化学肥料をたぷり使っても自家用は無農薬でというのは根性が違うといいます。それではお手本にはなりません。

先達がいない中、先駆者として無農薬栽培を始め、1、2年、「なんや虫を飼ってるのか」と言われながら、それでも止めようと思わなかったそうです。3年目、今年もだめだろうと思っていた処、4月に新芽が出てきて5月には害虫の大量発生を見ずに新茶ができたそうです。1滴の農薬も散布しなかったおかげで、蜘蛛・かまきり・テントウムシなどが戻りました。年々収穫量の増え、土壌も豊かになりました。

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他の生産者へ無農薬栽培の普及にも力を注いできました。

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大きい虫は大きな蜘蛛が小さな虫は細かい網を張る小さい蜘蛛が捕食します。朝の茶畑では、無数の蜘蛛の巣が茶を覆うように張られて朝露に光っててみえるそうです。

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茶の木の奥をみると、白くなったところがあります。クワシロカイガラムシの発生したところです。が、写真では見えるように写せなかったのですが、冬虫夏草のように寄生する小さい茶色の虫が付いています。害虫が発生しても天敵が被害を抑えるのです。

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片木さんのところでは紅茶もあります。今回初めて知ったのですが、昭和37年頃まではあちこちの産地で紅茶を生産していたんだそうで、日本は日本茶・紅茶の輸出国だったのだそうです。

片木さんのお茶、皆さんもぜひお試しください。

編集部です。
練馬の協力店会員・自然村さんが、8月4日(日)に講演会「たねが導く豊かな世界」を開催します。

私たちの食卓にならぶ野菜は、実に90%がF1種という種子から作られています。
この種から育った作物は、形が揃う、見た目がよい、すぐ大きくなるなどの特徴を持っており、1960年代に作られて以降、効率性・経済性を求める高度経済成長の中、またたく間に全国に広まりまったそうです。

しかし、一代限りの雑種なので、農家は毎年種苗会社からF1種を購入しなければなりません。昨秋公開された映画「モンサントの不自然な食べもの」は、この種子を支配して利益ばかりを追求するグローバル企業の実態、そして現在の「食」の経済構造に強い疑問を投げかけて話題となりました。

その一方、代々農家はできの良い野菜のタネを採種し、翌年にまた蒔いて収穫することを繰り返してきましたが、何世代に渡って作り続けられるうちに遺伝性が安定した「固定種」という品種があります。

有機であれ無肥料自然栽培であれ、農法の前に「種子」の大切さに気づいた自然村さんは、7年前から在来種・固定種・自家採種の野菜を販売してきました。今回の講演会は、在来作物とたねの楽しさに浸る内容となっているそうです。ご興味のある方、ぜひご参加ください。

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講演会「たねが導く豊かな世界」を開催します! 自然村 吉村文夫

7年前、有機であれ無肥料自然栽培であれ、農法の前に健康で生命力ある自然な種子が大事ということを知り、在来種・固定種・自家採種の野菜を販売してきました。初めは手探りで。
少しずつたねとり農家さんとの付き合いが増え、第38回日本有機研究会全国大会で長崎県雲仙市でたねを採り、生物多様性農業を営む岩崎政利さんと出会いました。

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生物多様性農業を営む岩崎政利さん

岩崎さんと出会い、岩崎さんの野菜と出会うことで、新しい段階に入りました。たねが自然か自然でないか、安全か安全でないか、美味しいか美味しくないかの点だけでなく、たねが私たちの過去と今と未来を豊かに繋いでくれていることを知りました。単一でない個性豊かな野菜たちの美しさ可愛さ面白さ!

毎週金曜日に届く野菜箱を開ける時はわくわくします。どんな野菜が入っているかなと。見たことも食べたこともない野菜たちにどれだけたくさん出会ってきたことでしょう。どうやって食べたらいいだろうと困ることもあります。食べてみたらとびっきり美味しかったり、普通だったり。色の美しさに感動することは度々です。

お客さんたち、岩崎さんの野菜を選んで買ってくれる人、なにげなく買ったものが岩崎さんの野菜のこともあるでしょう。このどうして食べたら美味しいのかしらと首を傾げさせるけど、食べたら美味しい!野菜を作っている人に会ってもらいたいな~、その自然観に触れたら新しい世界が広がるのではないかと思い続けていました。

この度、機会を得て、岩崎政利さんのお話会を開くことになりました。また縁あって雑穀と在来作物と食文化の研究者である増田昭子さんにもお話しをしていただけます。

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雑穀と在来作物と食文化の研究者、増田昭子さん

前置きが長くなりました。是非、みなさまの参加をお待ちしています。
参加するみなさんと共に雲仙の命巡る畑に立って種子を守り続けることの本質を感じる、そんなライブ感ある会にしたいと思います。まる1日をたっぷりと在来作物とたねの楽しさに浸る会にしましょう。

この企画にはたくさんの方の支援があります。参加を楽しみにしていてくださるみなさま方や相談にのってくださっている渋谷のオーガニックレストラン「デイライトキッチン」塚本さん、みなさんに感謝です。

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講演会 「たねが導く豊かな世界」

●日時  8月4日(日)10:00(9:30受付開始)~14:30   
●会場  スタジオ・ワイズ
     練馬区関町北2-26-17 ワイズ2ビル 地下1階
     西武新宿線武蔵関駅南口徒歩1分
     アクセス http://studio-ys.jp/access.html
●会費  5000円(食事・飲み物含む)
●申込み・お問合せ
     自然村 電話03-5927-7787
     詳しくはhttp://blog.sizenmura.jp/article/70959722.htmlまで。
     当日のスケジュール等もこちらでご確認ください。
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6月1・2日、山梨県清里にあるキープ協会清泉寮は良い天気に恵まれました。
販売協力店会員である自然村は2日、お手伝いに行きました。

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ホールでは会員の出店があり、消費者と生産者が直に話のできる場になっています。
普段は限られた販売店やネットでしか買えない商品を一堂に見て、試食して、説明を聞いて買うことができる、またとない機会でした。

毎回来場される常連さんもいらっしゃるようです。私も気になる試してみたいものをいくつも買い物しました。今回、勉強したことがあるので紹介しますね。

一つは、かたぎ古香園の新茶の水色を、当店のブログや店頭で「黄色」って表現していたのですが、古代色の「山吹色」と表現することを学びました。クレヨンに山吹色ってありますよね。クレヨンを使わなくなってからか?この日本の微妙な色合いを表現する美しい言葉を忘れていましたが、かたぎさんのお茶を販売する匠屋さんに教えていただきました。
かたぎ古香園の新茶。新茶の若々しい美味しさを楽しんでいただけます。お茶本来の色、濁りのない澄んだ山吹色の美味しいお茶ですよ。是非お試しください。

また、博覧会では映画の上映、講演会など食や環境に関する大事なことを学ぶこともできます。この点は他の食のお祭りではなかなかない「良い食品づくりの会」らしい取り組みだと思っています。

それから、野外ではテントが並び、テイクアウトで食事を楽しめるようになっています。一柳こんにゃく店さんの手作りこんにゃく体験は大人気。店主は稲庭干饂飩「佐藤養悦本舗」生パスタのミートソースの販売の手伝いをしました。生産者さんと直に話をすることで商品の理解を深め、新しい情報を得ることができます。今回も収穫大だったようです。

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レストランでは「良い食品食堂」が開店。会員の食材を使った料理研究家冬木れいさんプロデュースのメニュー、シェフの素晴らしい料理を楽しみました。1日目と2日目はメニューが違います。1日目も食べたかったな~。お料理を一品ずつ写真におさめたので、紹介しますね。


食前の一口
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こんぶ土居の日本の出し イタリア産オリーブオイルと合わせて                 


前菜
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たくみ亭 無えんせきベーコン萌と九鬼産業の太白ごま油
カマンベールのシフォンケーキ
ウェックを使った新玉葱のプリン コンソメスープ添え
佃權の名代はんぺんのフライ バジル風味のマヨネーズソースで
宮田麩司の車麩のフレンチトースト
法本胡麻豆腐店のゴドウフとセイアグリー健康卵のキッシュ


メイン料理
山梨県産健康鳥とトウモロコシのリゾット
三澤ワイナリーのシャルドネの新芽のてんぷら添え
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デザート・飲み物
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橘倉甘酒ババロア
ジャージ牛乳の練乳のパウンドケーキ
かたぎ古香園の紅茶のゼリー りんごのコンポート添え
紅茶、コーヒー、加賀棒茶

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良い食品づくりの会の仲間であり、とっても美味しい白瓜の粕漬けの生産者さんである橘倉酒造さんから、醤油麹のサンプルをいただいたので試してみました。

まず、御飯にのっけてみましたら、あれ~~っ、卵が入っているような感じ、しない?

同じく会員の長崎県・長工醤油味噌協同組合さんの生醤油と橘倉さんの麹と清酒・塩が原料ですので、卵は入っていないのですが、なんともまろやかな旨みと甘さを感じるんですよ。
ほんの微かに卵かけが混ざってるような懐かしい感じといったら伝わるかな~?~?自家製醤油麹を作っているので醤油麹の旨さは充分知ってますが、その醤油麹とはちょっと別物だな。

この醤油麹を使っていろいろ試してみようと思い、昨晩は白和えに使った。
水切りした豆腐をすり鉢で摺り、すり胡麻としょうゆ麹をベロ(舌)メーターで混ぜ合わせると、ふんわり美味しい白和えの出来上がり。

今晩は豚肉とネギを使って、と考えています。

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