村田商店の納豆が日本一

去る2月22日に、平成24年度の納豆日本一を決める「第18回全国納豆鑑評会」が宇都宮市で開かれ、最優秀賞の農林水産大臣賞に村田商店が大粒・中粒部門に出品した「道祖神納豆」が選ばれました!
昨年の「良い食品通信」で、村田社長に納豆づくりへの思いを語っていただいていますので、ここに掲載いたします。


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有限会社 村田商店
社長 村田滋

当店は、私の祖父が昭和26年に創業いたしました。
大手メーカーの安価な製品が出回り、時代の波に淘汰されまいと機械化を進めた時期もありましたが、平成9年に、おいしい納豆を作りたいとの思いから原点に立ち返ることを決め、祖父が手作業で作っていた「経木納豆」を作ろうと、この古今納豆の開発を始めました。
原料は地元長野産にこだわり、会の仲間である松本市の浜農場と一緒になって納豆専用の小粒大豆スズロマンの栽培に取り組みました。製法は、煮た大豆に納豆菌をかけて経木に包み、室で発酵させるだけといったシンプルなもので、室に入れた後は納豆菌に委ねるしかありません。しかし、発酵の進み具合は季節や天候、大豆の状態等によって異なりますので、開発開始からの1年間は、昼夜を問わず、毎日1時間毎に納豆の状態を観察して記録し、豆を水に浸す時間を調節したり、発酵させる温度や時間を変えたりと、改善できることはとことん追究し、納豆菌が活発に働ける環境作りに努めました。
机の上に何冊も積み重なった研究ノートは、当店の納豆作りの基盤となり、自信にもつながっています。
近頃はいろいろな納豆の食べ方がありますが、日本人にとってはやはりご飯のお供。温かいご飯によく合うおいしさに仕上げた自信作です。それぞれのご家庭の味をお楽しみいただきたいので専用タレは付けておりません。いつもお使いのお醤油で、古今納豆の味わいをご堪能ください。

編集部より
古今納豆のおいしさの秘密は、容器の経木にも。機械化に伴い発砲スチロールの容器が主流ですが、小泉先生も語られていたように納豆は生き物であり、本来は通気性の良いものが向いています。酸素の透過率が高い経木を使うことで、納豆菌が増殖し、おいしさには欠かせない強い糸を生み出しています。

(良い食品通信vol.8、2012年夏号記事を再掲載)




〈ニュース記事はこちら。※クリックすると拡大します〉
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※クリックすると拡大します。

金沢の会員・高木糀商店さんでは、毎年この季節にみそづくりの会を行っています。

日本の味は、糀が生み出したもの。私たちが毎日使う味噌や醤油、みりんといった調味料や日本酒は、すべて糀が醸し出したものですし、金沢の冬を代表する味覚、かぶら寿司にも欠かせません。
かつては金沢の各町に糀屋さんがあったそうですが、今は市内にわずか2軒。後継者がいるのは、この高木糀商店さんだけだそうです。

糀をもっと知ってほしい。そんな思いから始められた「みそづくりの会」。
天保元年(1830)創業、高木糀商店八代目の高木竜さんは若くて、爽やか。たいへん気持ちの良い方です。
また、建物も当時のままの趣のある佇まいで、金沢の指定保存建造物にもなっているそうです。

楽しく味噌づくり始めてみたい方、ぜひご参加くださいね。

長崎の冬の一大風物詩「長崎ランタンフェスティバル」が10日に開幕しましたね。

このお祭りは、中国の旧正月・春節を祝う華僑の人たちの催しを発展させたもので、今年で20回目。
長崎市の中心部におよそ1万5千個のランタンが飾られ、街は幻想的な雰囲気に包まるそうです。

鎖国時代、海外との唯一の窓口・出島だった長崎には、個性豊かな食文化もたくさんあります。
良い食品づくりの会には県内に4名の会員がおり、どのメンバーも長崎の味を大切に作り続けています。
訪れた際はぜひお立寄りくださいね。

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良い食品づくりの会 長崎メンバー

髙野屋
からすみ
(長崎市築町)
1675年、初代が鯔の卵で作るからすみの製法を案出。
一子相伝の技で作る"元祖"からすみの店

中嶋屋本店
海産物
(長崎市築町)
長崎の台所・築町に開業して60余年。
県内でとれる海産物を中心に、煮干しや削り節を製造

法本胡麻豆腐店
胡麻豆腐
(佐世保市)
胡麻豆腐の伝来は1654年。
普茶料理の一つとして、隠元禅師によって長崎にもたらされたと言われる。
50年余、地元のお客様に愛されてきた胡麻豆腐を製造

長工醤油味噌協同組合
醤油・味噌
(大村市)
昭和16年、県内の醸造元29軒が共存共栄を目指して発足。
「無添加」のパイオニア。麦味噌も製造

※写真は、博覧会の時に撮った中嶋屋本店の中嶋さん。
メンバーについての詳細はこちらをどうぞ。

菓子の王様であるチョコレートの語源は、
500年位前にメキシコ先住民がカカオ豆をつぶして液状にした
飲料のチョコラトル(苦い水の意)からきているらしく、もとは飲み物でして、
ココアがチョコレートの兄弟として今に残っています。

その頃のカカオ豆は通貨として用いられ、昔の塩と同じように大変貴重なもの。
下男一人がカカオ豆百個で取引されたようです。

チョコレートが液体から個体になって約100年と言われていますが
100年前のチョコレートは乳化剤や香料などは無かったので、
当然、純粋なチョコレートだったと想像がつきます。

その100年前の純粋なチョコレートを日本人として初めて食べたのは
明治6年に使節としてヨーロッパに出かけた岩倉具視、大久保利通、津田梅子らだと
言われています。

当時は「貯古齢糖」なる名称で売られたそうですが、
その100年前の味を復活させたのが大近の「ピュアチョコ」です。
香料、乳化剤はもちろん使用せず、おまけに砂糖、カカオバター、カカオマスが有機なので、
有難い製品です。

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宝石のように売られている高級チョコレートには香料がよく使用され1個数百円もしますが、
この「ピュアチョコ」は5グラムのチョコが34個入りで630円と、品質面からみて安価です。

良い食品づくりの会の品質基準を記しておきますが、

良い食品づくりの会 純チョコレートの品質基準
 [原材料について]
 ・カカオマス・カカオバター・砂糖を基準とする。
 ・乳製品を加えるときは、全脂粉乳が望ましい。
 ・カカオバター以外の油脂は認めない。

 [加工法について]
 ・カカオマス・カカオバターを原料として加工し、半製品チョコレート類の添加は基本的に認めない。
 ・乳化剤として、レシチン(大豆レシチン)の使用は認める。
 ・香料を使用するときは、バニラビーンズを使用する。
 ・カカオ分(カカオマス+カカオバター)は全体の40%以上の配合。

良い食品づくりの会 チョコレート菓子の品質基準
 [原材料について]
 ・カカオマス・カカオバター・小麦粉とスターチ類・砂糖・水飴・蜂蜜・卵・油脂・乳製品・
  フルーツ・ナッツ・スパイス(香味原料)・酒類を基本とする。
 ・個々の原材料は会の品質基準に準じるもので、代替品は認めない。

 [加工法について]
 ・膨張剤(ベーキングパウダーなど)は認めない。
 ・ゲル化剤として、寒天・ゼラチン・コンニャク芋以外は認めない。
 ・チョコレートは会の品質基準に準じるものを使用する。


ピュアチョコは充分この基準をクリアしており、有機にしてさらに上をいっています。
消費者の一人としてこれほど有難いチョコレートはなく、子供達の健康のためにもオススメの一品です。

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安全でおいしい、
会の製品を支える大豆

すずろまん
ナカセンナリ

有限会社 濱農場
代表取締役 濱幾郎

私ども浜農場は、長野県松本市で、米や大豆、野菜、りんご、そば等、安全でおいしい農作物作りに取り組んでいます。
今回紹介した大豆は、小粒納豆用に適した品種すずろまんと、豆腐や味噌加工用に適したナカセンナリです。契約栽培を中心にしており、会の製品では、村田納豆の納豆、久保食品の豆腐、酢屋亀本店の味噌に使っていただいています。
当農場が、安全な農産物の生産に取り組むようになったのは、今から20年余年前、都市部を中心に食への安全意識が高まりつつあった頃でした。農薬や化学肥料がまだ当たり前に使われていた時代ですので、有機栽培や無農薬栽培についての前例もあまりありません。肥料会社に有機肥料の開発を依頼したり、除草方法を工夫したりと、地道に試行錯誤を重ね、独自の農業を築いていきました。
また、当農場の作物の安全性を知っていただくことにも力を入れており、地域の一般的な栽培方法と比べて、化学肥料や農薬を50%以上減らして作られた農産物に与えられる「信州の環境にやさしい農産物」の認証を取得したり、農産物のカドミウム検出試験を行って結果を公表したりしています。
2007年には、当農場をはじめ地区の各農家で、堆肥等による土づくりを基本に環境に優しい農業を行う「エコファーマー」の認定を取得。地域ぐるみでより良い環境づくりにも取り組んでいます。私たちはこれからも地域と歩み、未来を守り育てていきたいと思います。

編集部より
日本人の食卓には欠かせない醤油や味噌、納豆、豆腐...はすべて大豆から出きていますが、その国内自給率はわずか6%だそうです(平成23年4月公表、農林水産省「大豆をめぐる事情」)。農業の実情に注目し、食料問題について、もっと真剣に考えなくてはならないと感じます。

(良い食品通信vol.6、2012年冬号記事を再掲載)

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