「良い食品づくりフォーラム信越」報告
2013.09.20

先般の良い食品づくりフォーラム信越は、87名の出席のもと大変充実した内容で終わることができました。

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井出民生会長

恒例のセミナーでは、女子栄養大学副学長の五明紀春先生に、食品の風味や色を決定づける食品加工において最も重要な化学反応である「メイラード反応」についてご講演をいただきました。
東京大学名誉教授、農山漁村文化協会会長の今村奈良臣先生には、「地域活性化に向けた新事業創出〜人を生かす、資源を生かす、地域を興す〜」をテーマに、先生のこれまで経験されたことをもとに、本会が発展していくためにはどうすべきかを熱くお話いただきました。

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女子栄養大学副学長 五明紀春先生

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東京大学名誉教授、農山漁村文化協会会長 今村奈良臣先生

また、日本一の長寿県である長野での開催にちなんで地元で活躍されている信州郷土料理の研究家、横山タカ子先生をお招きし、長寿を支える食の知恵を学びました。

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地元長野市在住の料理研究家、横山タカ子先生

生産者会員報告① 杉田味噌醸造場 杉田貴子さん
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杉田味噌のある上越市は、江戸初期に開かれた城下町高田が核となっており、上方文化と江戸の文化が交錯して独特の食文化が築かれました。この地の味噌は米麹の配合量が多く、湯に溶くとこうじが浮く「浮き糀」が特徴であり、製糀工程に最も力を注いでいるとのお話でした。また、原料の大豆には地元新潟産を使用しており、生産から選別まで農家の方と一緒になって取り組んでいるそうです。県の大豆栽培技術、品質の向上に少しでもつながればと語られ、地元に貢献したいという思いが強く印象に残りました。

生産者会員報告② 村田商店 村田滋さん
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地産地消にこだわり、県産大豆の使用を続けてきましたが、先日当社の製品をお買い上げていただいたお客様から「黒ずんだ大豆が目立っている」とのお叱りの連絡がありました。しかしながら、これは曲がったキューリ同様、見た目の問題であり、品質にはなんら問題はありません。これまで納豆作りを通じて県内の農業を応援したいという思いがあり、目をつむってきた部分を改めて考え直すきっかけとなりましたとお話されました。製品の「品質」の追求について重要な問題提起であり、一方で、消費者への啓蒙活動の必要性を感じざるを得ませんでした。

協力店会員報告① ボンラパス 柿原宏さん
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「ボンラパス」とは、フランス語で「ごちそうさま」の意。他社で扱っていないオンリーワンの商品、オリジナル惣菜の開発、時間帯に応じた商品の展開等に力を入れているそうです。発表を通して、品揃えの良さが評判であり、地元の方に愛されている様子が伺えました。

協力店会員報告② 加島屋 後藤麻美さん
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人口81万人、日本海側発の政令指定都市である新潟市の加島屋さん。発表を伺うと、ネットならではのオリジナル商品の販売や本店でのうまいもの市の開催、また児童の絵画展の企画・開催等、幅広く活動しておられる様子が分かりました。また、茶屋長作ではソフトクリームのコーンも店内で手焼きしており、安心・安全な食品づくりへの徹底した姿勢に心を打たれました。