会員相互の研鑽の場である「良い食品づくりフォーラム」も第47回目を数え、
2月16日(月)、17日(火)の二日間と短縮ながら、東京平河町の都市センターホテルにおいて、
下記プログラムを実施し、無事終えることができました。
幹事役の地区会員の皆様をはじめ、全国からご参加くださった会員の皆様、大変お疲れさまでした。
2月16日(月)
講演 『人間が生きものであることを基本に』 JT生命誌研究館館長 中村 桂子 先生
●生命誌とは、人間も含めての様々な生きものたちの「生きている」様子を見つめ、、そこから「どう生きるか」を探す新しい知。
●まずベースとなるのは「人間が生きものであることを基本に考える」ということ。人間は生きものであり、自然の一部である。
●生命絵巻でも表現されているが、この地球上には数千万種の多様な生きものがいて、生きものはDNAから成り立っている。ヒトは生きものの中のひとつ。「地球にやさしく」という言葉は上から目線の言葉。
●豊かで便利になるのは良いことだが、文明(科学技術は金融市場原理)ばかりが発達すると、反比例して自然が破壊されていく。そして、内なる自然(身体や心)が破壊されると心身ともに壊れていく。
●環境や遺伝なども大きく影響するが、食生活を改善することで、常在菌の環境を整えることが出来る。
●20世紀は機械と火(エネルギー)の時代、21世紀は生命と水の時代。機械は利便性は均一性を求めるので、「速く、思い通りに進み、手抜きが出来る」。この逆はマイナスに捉えられがちがだ、この逆が生きものであり、それを楽しめるのが生きものである。
●価値観を変えて、社会を変えていくには、子供のころからの体験も重要。
●アダムスミスは「道徳感情論」の中で、「人間は利己的であるが、人の悲しみを想像することが出来る」と語っている。それが、経済のスタート、基本である。
●経済ありきではなく、自然の中の一つの生きものであるヒトが、生きていること・どう生きるかを考えることが重要である。
・・・・等々。 大変根源的な、深い示唆に富んだお話をしていただきました。
・・・・
講演 『食の安全・安心・信頼を築くために』
農林水産省食料産業局 企画課 食品企業行動室 フード・コミュニケーション・プロジェクト事務局 田邊 浩之 先生
●フード・コミュニケーション・プロジェクト(FCP):消費者の「食」に対する信頼を高めることを目的として、農林水産省が提供するプラットフォームの下に、食品関連事業者が主体的に食品の安全、消費者の信頼確保のための取組等を進めるプロジェクト。
●当会にとっての存在意義でもある食品の安全への取り組み。ただ、それをいかに消費者に伝えるかということにおいてはやや苦手という会員の方々が多いなか、大変有意義な講義でした。
生産会員報告(理念の実践者) 中央葡萄酒 三澤 茂計 様
●昨年DWWAで日本初の金賞受賞(2014年、デキャンター・ワインアワード/ロンドン)という快挙を成し遂げられた、中央葡萄酒の三澤様より報告。
・「ロンドン市場で勝負せよ!」(麻井宇介氏)に学ぶ
・銘醸地は動く
・垣根式甲州の畑(高畝式)
・EU基準でのワイン造り
・会の理念を座視に 「食に携わる者は、聖職者である」(志水寛先生)の言葉
・「経営者の良心」を貫く努力
・凛として、和をなす
製品研修 (原材料・製法、 表示・包装・衛生、 官能検査 の各部会)
当会の特徴とも言えるフォーラムでの製品研修は、申請品の認定の可否を判断する場でもあり、消費者の側に立った厳正さが求められます。一方、食品の供給に携わる者として、食品情報を吸収する学びの場でもあります。申請者が全力で製造した製品に対峙するという真剣な姿勢を、毎回確認するとともに、会員自らが会の理念を再認識する場です。
今回は2つの製品が出品。 各部会に分かれ、深夜まで熱のこもった研修が続けられました。
2月17日(火)
協力店会員報告➀ 鶴屋百貨店 白坂 由紀 様
●熊本 鶴屋百貨店 白坂由紀様よりの報告
・鶴屋様が展開されている「良い食品づくりの会のコーナー」の紹介を、棚割り、取扱い製品、売れ筋、季節展開、POP等、多くの画像を使われ丁寧に説明していただきました。
協力店会員報告② ディアンドデパートメント 内田 幸映 様
●ディアンドデパートメント d47食堂の内田幸映様からの報告。
・今までの活動内容、d47のコンセプト、スクールの実施等、画像を使っての説明。
・今年12月にd47食堂様で実施される「47都道府県のさしすせそ(仮)」展に向けて、情報提供等の呼びかけがありました。
生産者会員報告(理念の実践) 信州味噌 森 健 様
●1674年(延宝2年)創業 昨年創業340年を迎えられた信州味噌の森健様より大変熱のこもった報告を頂きました。
・味噌のルーツ、味噌の歴史から始まり、味噌作りの主役である微生物の講義。
・味噌の製造工程については動画にて詳細に説明。
・原料となる大豆は「白眉大豆」(中国黒竜江省産: 収穫に大変手間がかかる)、「合豊大豆」(中国黒竜江省産)
・国産大豆については主に秋田県の契約農家の方々に作ってもらっている。
・業界として初めて、「無添加の味噌」としてパックされた製品を開発するため、パック内の発酵ガスを抜くための「呼吸口」を設けた。
次回定期総会
及び第48回フォーラム大阪の案内 大 近 伊藤智徳 様
食品を識(し)る 製品研修のまとめ(各部会報告)
原材料・製法部会 伊藤 智徳 様
表示・包装・衛生部会 村田 滋 様
官能検査部会 中嶋 恒治 様
認定書伝達・オリエンテーション 鈴木 整 様
●前回フォーラムにおいて認定された 長工醤油味噌協同組合 様 『国産麦味噌』 と
(株)ナガノトマト 様 『黒なめ茸』 に認定証が授与されました。
●恒例のオリエンテーション : 会の精神ともいうべき 【遵守事項】の確認が行われます。
まとめ 仙台味噌 佐々木 淳一郎 様
【新認定品】 中央葡萄酒(株) 『グレイス グリド甲州』
(有)久保食品 『豆 乳』 の2点が認定となりました。